OH NO! OH MY! 「OH NO! OH MY!」

hidizo2006-08-22



大変に馬鹿な名前のバンドだと思う。
ジャケットもちゃんと馬鹿で、イラストをひっくり返してみるとオチがついてるのが嬉しい。
ロラパルーザに出演したり、フレイミング・リップスの前座に起用されたりしている、オースティンの3人組。
とはいえ、風呂敷をそこまで広げるほど知名度は高くない。
このアルバム自体自主制作みたいなものだという。
とても可愛らしいHP( http://www.ohnoohmy.com/ )をみると、
活動も自分たちでコツコツやってる段階みたいで、
ニューメキシコとフェニックスに行くんだけど、六人の男を泊めてくれる人は居ませんか。出来ればシャワーも使わせてもらいたいんだけど...
てな文面があるのが微笑ましい。
注)メンバーは三人ですがライブでは三人サポートが追加されるそうです。


音楽的な影響はベル&セバスチャンやマグネティック・フィールズから受けた、と書いてあるんですが、あのバンド群のもつどこかスカしたムードは皆無で、もっと間抜けでチープ。
どっちかっていうと初期ゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツやオブ・モントリオールポール・マッカートニーが手を抜いたときのウィングス、曲によってはペンギン・カフェ・オーケストラを思い出す部分も。実にユルい体質。
で、今の時点では落としどころとしてはクラップ・ユア・ハンズとかスピント・バンドに近いと言われるんでしょうが、なんというかもっと田舎臭くてフォークっぽい。
歌がヒョロヒョロしてたり、楽器をひょいひょい持ち替えて録音した弱っちいサウンドながら、リズムは妙にしっかりしてる感じがする。
物凄く良い意味でB級です。

特に「Back Seat」という10曲目の曲あたりは、フレイミング・リップスが惚れたのも判る、美しいメロディと底の抜けた間抜けな素朴さ、何とも言い難い切なさが胸を打つ大名曲。
この曲、私の中では今年の夏のサントラみたいな感じだな。


なお、さっきも書いたように自主制作なんで、ネットでの入手はアマゾンなどでは出来ないんですが、どういうわけか日本ではタワーレコードに卸してるので実に簡単に手に入るっていうか私もタワーで買ったしな。
青田買いって大嫌いな言葉ですが、ひょっとしたらこの間抜けな味がもう少し経つと洗練されて失われてしまうかもしれないのかな。というわけであるうちに聞いてみるのはいかがでしょう。