dungen 「ta det lugnt」

hidizo2005-10-02



スウェーデンの4人組のアルバム。まずバンド名が読めない。ダンイェン、らしいけど。
中心人物Gustav Ejstes(やっぱ読めない) のワンマンバンドらしく、全作詞作曲にプロデュース、Vo/G/B/Ds/Key/Vn/Fl/Samplerとクレジットがある。全部じゃん。後の3人は楽器が被ってるわけです。そのGustav Ejstes、最初はヒップホップとサンプリング音楽にはまっていたらしいが、突如60〜70年代のスウェーデンのロックに開眼、その流れでスウェーデンのフォークにも手を出した結果がこのバンドに結実したそうで。


一聴してびっくり。一体いつのアルバムだ?古くさく深い。イギリスのザ・コーラルに近いが、古さや本格派ぶりではコーラルより上なんじゃないか。こいつらにはコーラルの若さ故の疾走感がなく、重くどろどろしてるからだ。
60年代のサイケ物のみの影響で成り立ってるような音楽性。特にギターとキーボードの音質と録音の執拗さときたらどうだ。なにせメロトロンらしき音や笑っちゃうようなファズ、濁ったフルートが多発。演奏が巧すぎないのも効果的。サイケ以外に表現したい物などない、と言う感じの見事な擬態ぶりが凄い。


曲は結構複雑。暗くてうねうねしたメロディが気分だ。しかも歌は全曲スウェーデン語。というわけで、ウェールズ語で変な歌を作り続けるゴーキーズ・ザイコティック・マンキみてえだ、とも思ったりもする。思いっきり70'sしてたアトミック・スウィングといい、スウェーデンってこういうコテコテの回顧主義が出てくる土壌が何かあるのかな。
それにしてもこのスカッとしない圧倒的なヴィンテージぶりの格好良さ。どんよりしてるのに高揚感がある。プレミアもののサイケを聴いたりするのがほんの少し馬鹿らしくなるほど、実にらしいクオリティがある。


なお、私が購入したアメリカ盤には5曲入りのボーナス・ディスクがついていた。インスト数曲を含むそれも駄曲皆無で大変格好良い。

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