Steel Rod (2000)

hidizo2005-11-03



前作の勢いをそのまま引き継いだEP。
楽曲の出来にこだわり、よりコンパクトにまとめられた感がある。
M3はツアー中、テネシーで警察にネチネチ尋問された体験を歌っているらしく、妙にもの悲しい雰囲気が漂っている。
他は、70'sハード・ロックのような王道のロックのグルーヴを感じさせる曲が多い。


表記は5曲入りだが、最期にシークレット・トラックが入っている。
この名無しの楽曲が曲者
渋いギターリフに導かれ、シャッフルするリズムをバックに、古くさくも格好いいオルガンが、ブルーズ的なオルガン・インストの伝統を微妙にふまえつつ、
勝手気ままなメロディを奏で、ギターがカウンターで豪快にノイズをぶち込んでいくスタジオ・ジャム。
ジョン・スペンサー・ブルーズ・エクスプロージョンの「エクストラ・ウィドス」あたりに近い印象もあるが、勢いよりは構成の妙で聴かせるようなノリがあり、14分半だれることがないまま突き進む。


アルバム全体の三分の一を占める長さの長い曲をシークレットにする意味が分からない。
が、逆にジャム的な楽曲だからこそ、他のまとまったタイプの楽曲とは色を分けたかったのかも知れない。
しかし、実はこの引き延ばしジャム的な作風が、後の彼らの新機軸への布石となっている。その辺りを彼らがどれくらい意識したのは、今となっては解らない。


聞き手を強引にグイグイ引き込んでいくこの格好良さ。勢いとは恐ろしい。
作品としても、重要な1枚と言えると思う。


1.Xxy
2.Steel Rod
3.Tennessee
4.Helltrain
5.Sinister Purpose


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