A THEISTS, RECONSIDER (2002 , with LIARS)

hidizo2005-11-07



ヴェルヴェッツの「僕は待ち人」のような、パルスっぽいリズムとオルガンのリフで幕を開け、ボソボソ囁くような歌でいつもの世界に巻き込まれる...、と思ったら、この1曲目はスプリットの相手のライアーズの曲であった。
ニューヨークを根城に、ピプノティックで攻撃的なロックを聞かせるライアーズは、!!!とかレディオ4などと並んで語られることもある、いわばポスト・パンク的なバンドだ。そんな彼れらと6曲を3曲づつ分け合うスプリット・ミニアルバム。ライアーズもサウンド的にかなり近いものがあるため、ぼーっと聴いていると殆ど区別が付かない恐れがある。


しかし、そこは試合巧者。普段とまったく違うタイプの曲を並べて聞き手を攪乱する。普段のONEIDAらしくない変な曲が彼らの曲。「らしい」曲はライアーズの曲。と言う感じかな。
ただし、M3は割と通常の彼らに近い結構な名曲。単なるノイズと化すオルガン、アホほど手数の多いドラムが転げ回り太いギターが格好いいリードを弾きまくる1分50秒。完璧だ。
しかしM3の全編に施された間抜けな手拍子も味な奇妙な脱力感、M6はガムランのような金属系のパーカッションがよろよろ鳴り、コラージュされた人の喋り声とギターのフィードバックで出来たかなり実験的な曲で7分半もある(アルバム自体の最期にこんなの持ってくるか)。残りは変な曲ばっかり。


で、ライアーズは割とONEIDAのカクカク路線から若干屈託を抜いたようなリズミカルな曲を3曲。これだけ聴くとライアーズの方が聞き易く、良い印象を持つはず。
こういうところでわざわざ「変」さ自慢に走るあたりが、へそ曲がりな彼ららしい。「嘘つき野郎」的な名前のバンドを前に、もっとでっかい嘘をついてどうするんだ。


1.Rose and Licorice *
2.Privilege
3.All in All a Careful Party
4.Fantastic Morgue *
5.Every Day Is a Child With Teeth *
6.Dorothy Taps the Toe of the Tinman
「*」はライアーズの楽曲。


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