Nice: Splittin Peaches (2005)

hidizo2005-11-09



これはたいへんにクセのある1枚。フル・アルバムから間髪入れず発表された(しかもこの直ぐ後に次のフル・アルバムが出てきた)。
レーベルもいつものJagjaguwarじゃなくてAce Fuだし。ちなみにAce Fuはアシッド・マザー・テンプルのアメリカ配給や、何故かカイザー・チーフスの「エンプロイメント」のUSアナログ盤をリリースしているレーベル。


内容は更に謎で、結構変な曲揃い。しかも、前作があらゆるスタイルに挑戦したタイプの作品だったため、そこそこ実験的な曲が並んでいても前作の延長という感じにとれてしまう。ここでミニアルバムとして区切って出す意味がどれくらいあるのか、大変判りづらい。しかも彼らのトレードマークであるカクカクしたタイプの曲も入っていないし。


とはいえ、M1「Summerland」のインチキ・ブルーズ・ロック的な方向性も結構面白いし、まるっきりCANなM2「Inside My Head」、リズムボックスと調子の外れ気味の歌と不可解なメロディが織りなす間もなく終わってしまう珍妙なM3「Song Y」、15分近い超大作M4「Hakuna Matata」はXTCの「トラヴェルズ・イン・ニヒロン」の現代的解釈とでも言いたくなるドライなサイケデリックっぽさを秘めている。各曲とも聞き所があり、全体的にメジャー・コードっぽい曲が多いのが特徴と言えるかも知れない。


でも一回聴いて気に入るタイプの作品じゃでもないので、手に入れるなら最後でも構わないと思う。この前後の彼らの「やりたい放題ぶり」の傾向が判った人には、結構楽しめる作品だろう。
だいたい、この購買意欲を減退させる陳腐なジャケは味がある、と言うレベルじゃ済まないから、最初に聴こうって人はいないだろうし。


1.Summerland
2.Inside My Head
3.Song Y
4.Hakuna Matata


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