ZEKE 「'ILL LIVING END」

hidizo2005-12-26


いきなりですが、ロックンロールの醍醐味として、くどいまでの脂っこさとユーモアを求める傾向が、私の中ではたいへんに大きい。
ロックンロールに未来があるか無いかそんなに真剣に考えたことはありませんが、あるとすればロケット・フロム・ザ・クリプトのような脂身たっぷりの馬鹿さ加減に思いを馳せてしまうのが道理というものです。あの強烈な下世話さ、受け狙いぶりは本当に美しかった。何より、圧倒的に聴衆を愛するバンドの気概が、堪らなかった。
そういう意味で、彼らの解散は本当に寂しかったです。

と、落ち込んでいた私の前に、実に良い形で振ってきてテトリスのコマのようにはまりこんでしまったバンドが、彼らZEKE(ジーク)です。
いやあ天晴れな馬鹿だ。3ピースのトリオが、真っ直ぐに馬鹿すぎる喧しいロックンロールをカマしてくれる。モーターヘッドをもうちょいルーツ寄りにしたような質感が、いかにもアメリカのバンド、と言う感じがする。無駄に早いテンポのリズムがグイグイ押しまくり、暑苦しく鬱陶しいヴォーカルがガーガー吼えているんですが曲は実にキャッチー。
しかも日本盤はボーナストラック込みで何と16曲入りなのに、全編で30数分しかない能率の悪さ。
死ぬまで」(馬鹿)ってタイトルも素晴らしい。( )の中身は私が勝手に付けたんですが。


また、メンバーのルックスが最高なんだ。
ブックレットの写真を見ると、眼鏡の長髪、でぶ、真ん中分けのひょろっとした情けない男。しかも全員ジージャン着用。一人として男前が居ないどころか、ダイレクトフロム秋葉原な見た目が格好良すぎる。
これで、レミーみたいなゴリゴリのロックンロールをやられてご覧なさい。興奮するなってほうが無理がありますよね。ライブが観たいなあ。最高じゃないか。


元々エピタフから出していたそうですが全く気が付かなかった自分が情けない(しかも最新作のこれ、去年のリリースだし)。ドゥワーヴスを気の迷いで獲得してしまっていた頃のエピタフの色ってことでしょうかね。あの馬鹿馬鹿しい感じが好きな人には間違いないでしょう。
ロックンロールの後は任せた。年の末ギリギリにこんな事書くのもどうかと思うが。
間違いなし太鼓判。

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