The Ditty Bops 「Moon Over the Freeway 」

hidizo2006-06-11



こまどりの如くピーチクパーチクさえずる100%文系の香りのするアメリカの女性デュオ、昨年のデビュー作に続いて登場した2作目。
殆ど歌いっぱなしのコケティッシュな二人のハーモニー。ジャズやアコースティック・スイング的な要素を消化し、マンドリンなどを多用したスカスカで軽く肩の凝らないサウンド。まるで全曲ノベルティ・ソングのような妙なシニカルさ等々。衝撃というより、ありそうでなかった存在感の妙。フェアグラウンド・アトラクションとエディ・ブリケルとローチェスをまぜて脱力させた感じ、とでも言えばいいだろうか。

プロデュースは前作に引き続きミシェル・フレーム。前作はかなり控えめだったとはいえ、一部にフレームっぽい要素(ロウ・ファイっぽいリズムのループとか奇妙にいじられた定位とか)があったけど、今回は完全に「らしい」手法を封印。真っ向勝負、彼女たちの歌と曲をど真ん中に据えた作りに出た。
それは、前作で見え隠れしていた若干の奇抜さが、随分ナチュラルな雰囲気に変わった感じにも反映されているよう。また、アレンジの幅も意図的に絞り込んだ感がある。一見地味さにも繋がってしまうのだけれど、飽きさせないで最後まで聞かせられるだけの曲の濃度は稼いでいる。

まあいろいろありますがこの人達の最大の魅力は歌声です。軽やかではあるが甘酸っぱい。エヴァリー・ブラザーズの「バイ・バイ・ラヴ」のほろ苦いカバーあたりでは、その良さが良い具合に引き出されている気がする。

ところで現在「バイシクル・ツアー」と銘打った全米ツアーを実施中の彼女たちですが、どうやら本当に自転車で全米を横断しているらしい。ホームページ(グッズ売り場もかなり馬鹿)をみると、その実況ブログもある。あまつさえ「ついてくる人募集」というページまである。道理でライブごとの日程があいてるわけだ。
なんでわざわざ電波少年みたいな事を好きこのんでやるかね。
エコロジー云々の主張がすでによく判らない行動にすり替わってしまってるのがなかなかにおかしい。


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