The Spinto Band 「Nice and Ncely Done」

hidizo2006-06-13



昨年11月頃アマゾンで「Clap Your Hands Say Yeah」を購入してからお勧めの所にチカチカしていたバンドが彼ら。
大した強い印象もないのに妙に引っかかるジャケットは覚えていましたが、彼らがフジロックへの出演を決めていると知ったのはつい最近のこと。とはいえふーん、てなもんでさしたる関心もなくて。
そうしているうちに、レコード店ジャケ買いしたシングル、「Did I Tell You」に一撃で沈没。
安いオルガン、無意味に躁なメロディ、ディヴィッド・バーンに似たよれよれの歌。ジャケットのあからさまなシニカルさと見事に呼応してるじゃん、てな感想です。絵に描いたような佳作!また、エクストラで入ってたビデオクリップが、80年代のUSインディの臭いぷんぷんな安さ&ひねくれ具合で堪らないものがあったのです。
で、今更このバンドが延々「おすすめ」されてたバンドだと気づきます。確かにヴォーカル・スタイルや、ふがふがした抜けた演奏などかなり類似点はあるし。
で、日本盤も出ていたので喜び勇んで手に取るという、資本主義の神に踊らされてるようなマヌケな人生がここにあるわけです。


デラウエア州ミルウィントン出身というこの6人組。
きけば未だ20歳前後という若さらしい。担当楽器はメンバー間でとっかえひっかえしてるらしく、そのふがふがしたマヌケさに繋がっていると思われる。年不相応なある意味インチキ臭いサイケ感や実験感覚があったりもするけど、コーラルだのなんだのが出尽くしたこの数年でその驚きというのにも慣れてしまったりする。むしろ、そういうバンドの本格っぽさより、ちょいと聴いて気に入ったから付け足しました、というあまり確信的でない感じが魅力なのではないか。


Clap Your ...よりは天然感は薄い。あの妙な存在感のギターとか芝居じみた記名性の高い歌などよりは、もう少し普通のポップバンドっぽく、曲もアレンジも割と判り易く練られている。とはいえ、それはオブ・モントリオール等のエレファント6周辺のバンド群のポップ感と、ペイブメントフレーミング・リップスなどのインディの臭いぷんぷんなバンド群の脱力ギター&ケミカルなサイケぶりを組み合わせたような落としどころだと思って頂いて良いでしょう。どこか変ではあるのですよ結局。


なかなか良い曲が10曲並んだデビュー作ですが、日本盤にはボーナスが1曲。「Japan Is an Island」という馬鹿にしてるのか君たち。と追求したくなる曲名で、マヌケな電子音がぴょこぴょこ跳ねてる脱力しきった曲想に気が遠くなる。
その台無しな感じがいい。歌詞も当然結構ヘンテコだし、歌詞と対訳の載ってる日本盤をお奨めします。

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